日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

国際ダンス映像祭2010

http://www.dance-media.com/videodance/fes2010/pg81.html
プログラムC
特別作品の上映 ウルティマ・ヴェス「ヒア アフター(HERE AFTER)」
ベルギー/64分 ウルティマ・ヴェス 2007年制作
日時:2010年4月30日(金)19:30 〜 21:00
アサヒアートスクエア

■概要
ベルギー・コンテンポラリーダンスの先鋭、ウルティマ・ヴェスのビデオダンス。2005年に上演されたダンス作品「puur」を完全映画化した作品。60分ノンストップで浴びる監督ヴィム・ヴァンデケイビュスのストレートパンチ!見終わった後、最高に深〜い溜息がつける!舞台作品を映像化した作品。もはや映画そのもの。物語系ビデオダンスの傑作。
■解説
この「Here After」は、 2005年に制作された舞台作品「Puur」(振付、演出/ヴィム・ヴァンデケイビュス)を映画化したものです。実験映画ともいえるこの作品は、フィクションとダンスの混合で、ヴァンデケイビュスのこれまでの作品に比べても、フィクションの要素がより力強く反映されています。2005年の映像作品「Blush」以降、軸となる物語が振付によって構成されており、「Here After」ではさらに卓越した手法で演出されています。体と動きの中にある物語は、役者たちの感情を引き出します。
粗く、そして美しいスーパー8(撮影カメラの機種)を使った映像は、隔絶されたコミュニティーの有り様を描き出している。このコミュニティーは舞台作品「Puur」の一部分である。ステージでのダンスシーンは撮影スタジオで行われ、スーパー16(撮影カメラの機種)が使われており、Dieter Diependaele によって編集されました。
イタリア人作曲家Fausto Romitelli と、作詞、演奏のDavid Eugene Edwards (Woven Hand) によって、音楽シーンが新たに加わり、鑑賞者の感情移入を起こさせ、「Puur」に続き、アヴィニョン・フェスティバル(2005)にて賞賛を得ました。
「Here After」は、映像作家としてのヴァンデケイビュスが放つ熱狂的な実験映像です。フラッシュバックを通じて、「Here After」は、権力的で狂気を帯びた君主(リーダー)によって幼児殺害が行われている隔絶されたコミュニティーの物語です。
ダンスシーンでは、「あの世(Here After)」での登場人物たちの追体験を見ることができ、それは彼らのトラウマに満ちた身体の記憶なのです。この作品は、コミュニティーの崩壊と共に、生と死、自責と自己処罰、存在と記憶、後悔と否定というような自分の存在とは何かという問いを描いています。