日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

日欧・日亜比較演劇国際研究集会「越境する演劇 "Theatre sans Frontieres" 」

学術フロンティア推進事業「日亜・日欧比較演劇総合研究プロジェクト」
日時:2007年6月1日(金)〜3日(日)
主催:早稲田大学演劇博物館、フランス マルクブロック大学
場所:早稲田大学小野記念講堂(西早稲田キャンパス27号館小野梓記念館地下2階)
※入場無料・予約不要(日本語・フランス語の逐次通訳あり)

日程:
■6月1日(金)
11:00 竹本幹夫(早稲田大学)  「猿楽における興行の歴史」
11:50 Michel Stanesco << De la conscience mythique à l'esthétique des Mystères >>
      ミシェル・スタネスコ(マルクブロック大学) 「神話的意識から聖史劇の美学へ」
12:40 質疑応答
12:50 昼休み
14:30 三宅晶子(横浜国立大学)「能舞台の機能を利用した能の表現方法」
15:20 コーヒーブレイク
15:40 Sakae Murakami Giroux
     サカエ・ムラカミ・ジルー(マルクブロック大学)「世阿弥とその狂言論 秘伝を通じて考える」
16:30 質疑応答
16:40 終了予定
■6月2日(土)
10:00 佐藤和道(早稲田大学演劇博物館) 「川崎九淵と近代能楽史」
10:50 François-Xavier Cuche
      フランソワ=グザヴィエ・キューシュ(マルクブロック大学)「『アカデミーへの書簡』におけるフェヌロンの演劇美学」
11:40 田村容子(早稲田大学演劇博物館) 「民国期京劇の舞台装置について」
12:30 質疑応答
12:40 昼休み
14:30 八木雅子(早稲田大学) 「職業としての俳優」
15:20 Pierre Hartmann
     ピエール・アルトマン(マルクブロック大学)「フランス演劇における封建制の表象 17世紀から19世紀まで」
16:10 コーヒーブレイク
16:30 伊藤洋(早稲田大学)「フランス古典演劇の日本における初期受容」
17:20 質疑応答
17:30 終了予定
■6月3日(日)
10:00 萩原健(早稲田大学演劇博物館)
      「1920・30年代の日本とドイツにおけるアジプロ演劇−その現代演劇との類縁性について」
10:50 Olivier Neveux
     オリヴィエ・ヌヴー(マルクブロック大学)
     「時事性の演劇 現代フランス演劇における活動家的叙事演劇の定期的回帰」
11:40 間瀬幸江(早稲田大学演劇博物館)  「額縁舞台と<<彼岸の秩序>>」
12:30 質疑応答
12:40 昼休み
14:30 細井尚子(立教大学
      「ポピュラー・カルチャーにおける舶来文化の受容−中国越劇と宝塚歌劇を例に−」
15:20 Geneviève Jolly
      ジュヌヴィエーヴ・ジョリー(マルクブロック大学)
      「19世紀末におけるテクストと舞台を再考する」
16:10 コーヒーブレイク
16:30 秋葉裕一(早稲田大学) 「日本におけるブレヒト受容−井上ひさしの場合−」
17:20 質疑応答
17:30 終了予定

開催にあたって


私立大学高度化推進事業・学術フロンティア「日亜・日欧比較演劇総合研究プロジェクト」の最終年度にあたり、その成果発表の一環として、本研究集会を企画しました。この研究事業は、日本とヨーロッパ及びアジアの演劇を比較研究する方法論を追求し、それによって演劇研究のあり方とその評価の普遍性を追求することを最終目的としています。「演劇は世界の共通言語」といわれますが、演劇研究の実質は歴史的・文学劇研究であり、それぞれの国の固有言語によって行われてきました。したがって演劇作品は国境を越えて鑑賞されているにもかかわらず、その研究が国境を越えて評価されることはほとんどなかったのです。そのような現状を打開し、演劇研究に普遍的な基盤を確立するための作業の一つが、今回の研究集会です。この研究集会は、早稲田大学演劇博物館とフランス・マルクブロック大学との共催により、同大教員団を早稲田大学に迎えて実施するもので、日仏両国演劇のみならず、中国演劇・ドイツ演劇をも加えた研究発表を主体としています。マルクブロック大学には非常に充実した演劇研究の拠点があり、フランスでは数少ない日本演劇研究者も在籍します。一昨年度より本館との間で研究交流事業を定例化することを約束しており、今回はその第2回の大会でもあります。また今回の研究集会は、日・中・欧の、とくに古典演劇を比較研究するという、本館が計画中の事業の布石となるものです。


早稲田大学演劇博物館 館長 竹本幹夫