日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

マラルメ・プロジェクトIII『イジチュール』の夜へ―「エロディアード」/「半獣神」の舞台から―

sfjth-tokyo2012-07-22

http://www.k-pac.org/performance/20120722.html
企画:浅田彰渡邊守章
構成・演出:渡邊守章
朗読:渡邊守章浅田彰
音楽・音響:坂本龍一
映像・美術:高谷史郎
ダンス:白井剛、寺田みさこ
日時:2012年7月22日(日) 16:00開演 (15:30開場)
会場:京都芸術劇場 春秋座
料金:一般4000円、シニア3600円、学生&ユース2500円、瓜生山学園生1000円
チケット取り扱い:2012年5月10日(木) 10:00 一般発売
 □京都芸術劇場チケットセンター
   TEL:075-791-8240(平日10:00〜17:00)
 □京都芸術劇場オンラインチケットストア
 □電子チケットぴあ Pコード:420-732
 □イープラス
 □京都・滋賀各大学生協プレイガイド
   ※瓜生山学園生は劇場チケットセンターのみの取扱い
お問い合せ:京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター TEL:075-791-9207

詩人ステファヌ・マラルメ詩篇を声に出して読む、などという大それた企ては、かつてはマラルメ学者の配慮の地平に立ち現れたことはなかった。20世紀も最後の十年間あたりで、ようやくパフォーミング・アーツの狭い枠を超えるためにも、また、マラルメ自身の《言語創造》の深層と身体性とに迫る作業としても、取り返さるべき不可欠の作業=体験と考えられるようになリ始めた。
マラルメ自身は、その『詩と散文』(1893)の「祭務・典礼」と題する「批評詩のコラージュ」で、「未来の群集的祝祭」のパラダイムの一項として「詩篇の朗読会」を挙げていたのであるから、一世紀以上に及ぶその要請の無視は、伝統的マラルメ学の偏向の証左でもあった。
一昨年、筑摩書房マラルメ全集』の完結を記念して、京都造形芸術大学大学院長浅田彰と私との企画で、無謀とも言うべき「マラルメ・プロジェクト」が発足した。昨年は「『イジチュール』の夜」と題して、難解をもってなるこの「哲学的小話」を、坂本龍一の音楽、高谷史郎の映像、白井剛と寺田みさこのダンスに、浅田彰と私の朗読によって、多面的構造体を目指すパフォーマンスとして、春秋座の舞台に立ち上げてみた。
三年目に当たる今年は、同じメンバーによって、『イジチュール』の危機に深く関わりをもつ「半獣神」と「エロディアード」の詩篇を補助線のように用いて、「『イジチュール』の夜」を一層深化すると同時に、「半獣神」詩群と「エロディアード」詩群の懸かる言語・身体空間を、マラルメに沿って立ち現れるように、作ってみたい。

渡邊守章京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長・教授/演出家)