日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2010(第1回)

http://setagaya-pt.jp/workshop/2010/11/post_191.html
第1回「大革命と演劇」
講師:八木雅子(学習院大学
日時:2010年11月12日(金)19時〜21時
場所:世田谷文化生活情報センター セミナールーム(三軒茶屋駅前キャロットタワー5階)
参加費:4500円(全3回)
予約・問い合わせ:世田谷パブリックシアター学芸 03-5432-1526

括弧つきではあれ、「公共劇場」と呼ばれるものがこの国でスタートして十年余を経た。その間、いくつかの試みはあったものの、「パブリックな表現に関わる/による新たな関係の場の構築」という演劇の「かたち」はいぜん不鮮明であり、その将来的方向も創造者・観客相互に必ずしも共有的な土台上でみいだされているわけではない。そこで、フランスの場合を一例にとって、「民衆演劇」という発想がどのように生まれ、それがどう「公共の演劇」と重なり、連繋してきたかを3回にわたって講じる。
第1回目に八木雅子氏に大革命期の思考を語ってもらう予定なので、わたし佐伯は、19世紀の歴史家ミシュレの演劇構想と、世紀の後半にアルザスで誕生する「ビュッサン民衆劇場」を皮切りにして、20世紀の「国立民衆劇場」の動き、第2次大戦後に名実ともに一定のかたち──「演劇の地方分散化」を含め──をみる「公共劇場」、その運動と文化政策との二重性を主に六八年まで、そして、それ以後、今日のフランスでの公共劇場のありようを語りたい。その枠組みのうちで、日本の現状と独自性、または、礎石部での差異やそれゆえの難しさがあぶり出せればと考えている。公共の演劇はなにを基層とするかの問いである。