日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

ホリプロ「キーン」(サルトル、デュマ作、ウィリアム・オルドロイド演出)

http://gingeki.jp/performance/index.php?date=200810
作:ジャン・ポール・サルトル
原作:アレクサンドル・デュマ
訳:小田島恒志 
演出:ウィリアム・オルドロイド
出演:市村正親須藤理彩鈴木一真、高橋惠子、中嶋しゅう
日時:2008年9月26日〜2008年10月19日
天王洲 銀河劇場(東京・天王洲)

英国演劇界きってのスター俳優、エドマンド・キーンは、その天才的な演技とともに狂気ともいうべき破滅的な私生活を送る男としても名を馳せている。恋の浮名を流した女性は千人に及ぶとも言われるほどだ。酒は毎晩浴びるほど飲み、争いごとは絶えることなく、金遣いの荒さから借金も天文学的な数字になっている。 懲りないキーンの今のターゲットはデンマーク大使夫人のエレナ。彼女との恋の駆け引きに夢中になっている。キーンと親交が深く、キーンを崇拝するがあまり、彼が愛する人をもれなく愛してしまうプリンス・オブ・ウェールズは、今回もキーンに対してライバル意識むき出しで、エレナにちょっかいを出している。
ある日、そんなキーンのもとにアンナという若い娘が飛び込んできた。ネヴィル卿の婚約者である彼女は、熱狂的なキーンのファンであった。キーンの舞台は欠かさず観ていたアンナは、自然とシェイクスピア劇に登場する全ての女性役の台詞を覚えてしまっており、私も何か演じたいとキーンに訴える。二人の会話もシェイクスピアの台詞を使いながら進行するほどだ。しかし今やエレナしか眼中にないキーン。アンナを邪険に扱うが、無垢で率直なアンナはまったくめげない。 そんな折、キーンは昔身を寄せていた劇団の救済のため急遽十八番の「オセロー」を上演することに。ただ突然のことゆえ、相手役がおらず、目の前にいたアンナにデズデモーナをやってもらうはめに。
エレナをめぐってキーンとプリンス・オブ・ウェールズ、アンナをめぐってキーンとネヴィル卿、そしてキーンをめぐってエレナと、アンナ。シェイクスピア劇より複雑に絡み合ってしまった恋の鞘当て。 そして大混乱の中、「オセロー」の幕が開くー。