フィリップ・ラクー=ラバルト『歴史の詩学(Poétique de l'histoire)』(藤本一勇訳、藤原書店)
フィリップ・ラクー=ラバルト(1940-2007)追悼記念出版
- 作者: フィリップラクー=ラバルト,Philippe Lacoue‐Labarthe,藤本一勇
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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ハイデガーは、ルソーの何を恐れたのか?ルソーが打ち立てる「ピュシス(自然)はテクネー(技術)の可能性の条件」という絶対的パラドクス。ハイデガーが否認するルソーに、歴史の発明、超越論的思考、否定性の思考という「偉大なドイツ哲学」(ハイデガー)の“起源”を探り、ハイデガーのテクネー論の暗黙の前提をも顕わにする。テクネーとピュシスをめぐる西洋哲学の最深部。
■目次
1――起源の舞台
1.ルソーを否認するハイデガー……歴史の起源としての詩作/ヘルダーリンの救済、ルソーとの決別/「偉大なるドイツ哲学」の起源
2.ルソーの存在−技術論……哲学の創始的問いへの退歩/超越論的否定性としての起源/技術の可能性としての自然
3.ハイデガーはルソーの何を恐れたのか……自然状態はひとつの劇場/カタルシスという問題/根源的演劇性
2――先行的演劇
1.ルソーの引き裂かれた核心……演劇を断罪するルソー/偽りの憐れみとしてのカタルシス/プラトンとアリストテレスのミメーシス観/忌わしいカタルシス
2.ルソーの弁証法……ギリシアという例/例外 /カタルシスという弁証法/悲劇を止揚するルソーの祝祭
3.芝居がかる死……弁証法の前提としての演劇/演劇の否認が恐怖を生む/演劇の否認はコメディである