日仏演劇協会 公式ブログ

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間瀬幸江『小説から演劇へ――ジャン・ジロドゥ』(早稲田大学出版部)

小説から演劇へ―ジャン・ジロドゥ 話法の変遷

小説から演劇へ―ジャン・ジロドゥ 話法の変遷

■作品概要
両大戦間期のフランス演劇の顔、ジャン・ジロドゥ(1882―1944)。1928年にデビュー、「文学的」で「気取った(プレッシュー)」文体と、メロドラマ的な作風とで一斉を風靡した劇作家である。しかし、彼が劇作家として活躍したのは、たった16年間にすぎない。1909年、アンドレ・ジッドをうならせたユニークな文体で文壇に登場し独自の地位で作家活動をおこなっていた彼は、なぜ劇界へと転進したのか。ドイツロマン主義文学に傾倒する一方、そのドイツを敵にまわした第一次世界大戦で肉弾戦の地獄を見た小説家は、16年の間、演劇になにを求め、なにを賭けたのか。そしてなにを失い、なにをわたしたちに残したのか。
――――演劇はわたしにとっては、自分の考えを表明する手段です。しかし小説は、自分を知る手段なのです。(ジャン・ジロドゥ
■目次
・序論
・第1部 劇作家の誕生:初期の散文の特徴と『ジークフリート
・第2部 新たな話法を求めて:『アンフィトリオン38』から『オンディーヌ』まで
・第3部 上演という話法へ:晩年の劇作から
・結論