日仏演劇協会 公式ブログ

日仏演劇協会公式ブログ le blog officiel de la Société Franco-Japonaise de Théâtre

ジゼル・ヴィエンヌ/DACM『CROWD』

https://kyoto-ex.jp/2018/program/gisele-vienne/
日時:2018年 10月6日−10月7日
会場:ロームシアター京都 サウスホール
料金:
  一般 前売 \3,500/当日 \4,000
  ユース・学生 前売 \3,000/当日 \3,500
  高校生以下 前売・当日共に \1,000
  ペア \6,500(前売のみ)

ドラマツルギーにおいても様式の美学においてもその完成度をより一層高めつつあるジゼル・ヴィエンヌによる作品群は、観客の心を不穏に揺さぶる。ヴィエンヌは、わたしたちの内なる暗がりにメスを入れ、その有り様をつまびらかにする。
『CROWD』の舞台は、21世紀のヨーロッパのそこかしこで若者たちが繰り広げているパーティー。激しい興奮と音楽に吸い寄せられて、若者たちはまるで感情のジェットコースターに乗りこんだようにハイになる。その狂奔の伝染性は圧倒的だ。若者の群れの昂ぶりを刺激する音楽は、1990年代前半におけるデトロイトのミュージシャンたちのトラックを中心に構成され、そこにピーター・レーバーグとステファン・オマリーのデュオKTLによる楽曲も加わる。
そして、ヴィエンヌと作家デニス・クーパーが15人のダンサーと共に生み出したサブテキストは、一言として声に出されない。けれど、その言葉は多様なムーブメントに翻訳され、観客はその膨大な数の物語を同時多発的に浴びることになる。音楽とサブテキストの緻密なミキシングによって、舞台上の時空はひずみ、細部はクローズアップされる。
この群れは、ひときわ強い感情と昂ぶりの塊と化す。